【ぎっくり腰完全対策1】ぎっくり腰ってなんだろう?

「腰をやってしまう……」

ぎっくり腰は、この簡単な表現だけで誰にでも意味が解ってしまうほど身近にありふれています。

危険性があるのは、中高年だけではありません。

運動不足の人が増加した今、20代での発症も多く、突然の痛みはいつ襲ってくるかわかりません。

いったいどうして、腰は突然悲鳴を上げてしまうのでしょうか?

その原因と予防法を解説します。

 

特集【ぎっくり腰対策】の内容

第1回

「ぎっくり腰ってなんだろう?」

第2回

「ぎっくり腰は安静よりストレッチ!」

第3回

「ぎっくり腰、病院での治療法」

「ぎっくり腰」という病気・ケガはありません

「ぎっくり腰」は正式な病名ではなく、突然発症して動けなくなってしまうような腰痛症のことを総称した名前です。


整形外科を受診すると、「急性腰痛症」と診断されることもあります。


まるで一つの病名のように呼ばれていますが、その原因は「椎間板ヘルニア」であったり、「脊椎すべり症」であったりといろいろなものがあるようです。


とにかく、何らかの原因で突然動けなくなるような腰痛を発症すると、それが「ぎっくり腰」と呼ばれるようになるのです。


(参考:日本臨床内科学会「わかりやすい病気のはなしシリーズ45腰痛」)



厚生労働省の調査によると、腰痛の症状に悩んでいる人は非常に多く、男性の自覚症状の第1位、女性でも肩こりについで第2位となっています。


どうして、これほど多くの人が腰を痛めてしまうのでしょうか。


 


その原因は腰の構造にあるようです。


私たちの背骨は椎骨というブロックがいくつも重なってできています。


間には軟骨成分でできた椎間板があり、これがクッションの役割を果たすことで、上半身をひねったり、背中を丸めることができます。


このような背骨の構造は、哺乳類に共通したものですが、人間だけは直立2足歩行に進化しました。


このため、背骨は上半身の重さを支えるという新たな役割ができ、もっとも下のほうにある腰椎には大きな負担がかかってしまいます。


椎間板がつぶれてはみ出してしまうと「椎間板ヘルニア」


椎骨がずれてしまうと「腰椎すべり症」


というふうに、腰にあたる背骨の周辺では、いろいろなトラブルがおきやすくなっているのです。


日常に潜む危険な動作とは?

では、どのようなシチュエーションでぎっくり腰になってしまうのでしょうか。


たとえば、普段ほとんど運動しないお父さんがつい頑張ってしまう「運動会」はとくに危険がいっぱいです。


競技のため子供を肩車しようとした「そのとき」、綱引きで思いっきり後ろに体を反らした「そのとき」、グキッと腰をやってしまうリスクが高まります。


 


このように、腰にいつも以上の力がかかるときにぎっくり腰はよく起こります。


もちろん、生活の中にもリスクが潜んでいます。


腰に負担をかけやすい状況をしって、対策をとりましょう。


 








腰への負担に注意したいシチュエーション


重い荷物を持ち上げたとき


ものを持ち上げるときには、しゃがんで体を密着させる。


咳、くしゃみをしたとき


手を突いて、反動を軽減させる。


掃除機をかけようと屈んだとき


柄を伸ばし、腰を曲げなくてもいいように。


洗面台に向かっているとき


前かがみになるときは、膝を曲げるか踏み台を用意して片足を乗せる


長時間のデスクワーク、ドライブの後


同じ体勢が続いた後は、ストレッチや体操で筋肉を緩める。


寝起き


寝起きにも体操が有効。



また、介護の現場でもぎっくり腰に悩んでいる方が多いようです。


普段からストレッチや体操を行って、腰に急な負担をかけないことや、腰の柔軟性を保っておくことが予防につながります。


ほとんどは勝手に良くなる

日本整形外科学会による「腰痛診療ガイドライン2012」では、急性腰痛は発症の1ヶ月後までに半数以上が自然に良くなり、3ヵ月後までは緩やかに回復し続けるとしています。


このように、ぎっくり腰の多くは検査をしても異常が見当たらないか、異常が見つかったとしても年相応な範囲内で、何もしなくても自然によくなっていくと考えられます。


 


しかし、中にはいますぐに病院を受診して治療を開始した方がいいぎっくり腰もあります。


神経が圧迫されていたり、進行性の病気によって腰の痛みが引き起こされている場合です。


次のような症状が見られるときには、危険な腰痛の可能性があります。


○足がしびれたり、尿や便を失禁してしまう


脊椎を通る神経が圧迫されて起こる症状です。


治療が遅れると神経症状は回復が鈍く、後遺症が残ってしまいます。


○体勢によらずずっと激しい痛みが続く、痛みがだんだんひどくなる


体勢によらない痛みがあるときには、筋肉や骨よりも、内臓や血管が痛みを引き起こしている可能性があります。


胆石や膵炎、大動脈乖離などが上げられます。


 


このような症状に気がついたら迷わず医療機関を受診しましょう。


 


さて、明らかにぎっくり腰の原因となる病気が見つかった場合の対処は病院に任せるのが一番ですが、問題は病院で検査をしても異常が見つからない場合です。


多くは自然と症状が改善されていくと考えられていますが、より早く回復させたり、再発を予防するためには、安静にしているよりも腰の体操やストレッチを行ったほうがいいと考えられています。


次回はぎっくり腰になった後、再発を防止するために役立つストレッチを紹介します。


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